チャロナラン劇 / Calonarang
今回もレストランやホテルではないバリ島の伝統芸能を説明させてください。
バリ島にはさまざまなヒンドゥー教の儀式や芸能がありますが、今日はバリ島の儀式の中でも特別なものになる“チャロナラン劇”をご紹介したいと思います。
チャロナラン劇は、オダランと呼ばれる寺院の創立祭のときに村の平和を祈願して行われる舞踊劇で、“聖の象徴とされているバロン”と、“邪の象徴とされているランダ”の戦いの劇になります。
こちらが“聖の象徴であるバロン”。日本の獅子舞に少し似ています。
個人的に好きなのは天井や床材の素材感で、インドネシアに埋もれていた古材が息を吹き返した感じがします。
こちらが“邪の象徴であるランダ”。バリ式の魔女です。
“邪の象徴であるランダ”は、以前パスカクの前身である Nol Graphic でも全3Dで制作したことがあり「BaliDeep」というバリに関わる人達がつくる創作の場に出展もさせていただきました。
下の画像が3Dでつくった“邪の象徴であるランダ”です。かなりの反響をいただきました。
このバロンとランダの戦いは、決着がつくことなく永遠の戦いになります。
バリの人々は、善と悪のどちらが勝つこともなく、善と悪のバランスが保たれていることでこの世界の平和が保たれると考えているためです。
ゲームの中によくあるようなお話でこの世の真理のような気がします。
このチャロナラン劇は始まるのはだいたい夜の9時頃からで、終わるのは深夜2~3時頃となりかなりの長丁場劇です。
そして一度見始めたら悪夢を家に持ち帰るとされていて、途中で帰ってはならないと言われています。
バリ島在住者でもなかなか見ることの出来ない、貴重な舞踊劇。
劇の終盤にはたくさんの人がトランス状態にとなり、バタバタと人が倒れ、叫びだし人も多く、もの凄い迫力になっちゃいます!
本物のチャロナラン劇を見たいという方はかなりの現地の情報が必要になりますので、お声がけください!
上の写真はこのチャロナラン劇を観光客向けにアレンジした、有名なバロンダンスです。
こちらはバリ島に旅行に来られた際にも劇場で見ることが出来るかと思います。
今回は、バリ島の貴重な舞踊劇のご紹介でした。
バリ島にはまだまだ様々なヒンドゥー教の儀式や芸能があるので、また少しずつご紹介していけたらと思います。